「NotebookLMという名前をよく聞くけれど、ChatGPTと何が違うのか分からない」 「便利だと聞くが、うちの会社で何に使えるのかが分からない」
こうしたご相談をいただくことがあります。
このとき、多くの方が「もっと賢いAIが出たらしい」と受け取っています。ですが、それは違います。
NotebookLMは賢いAIではありません。自社の資料しか読まないAIです。そして、その制約こそが価値になります。
この記事では、NotebookLMでできること、無料でどこまで使えるか、そして向いていないことを整理します。
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この記事で分かること
- NotebookLMがChatGPTやGeminiと何が違うのかが分かる
- 無料でどこまでできるか、公式の数値で分かる
- 自社で使うべきか、使わなくてよいかを判断できる
02
. NotebookLMとは何か
NotebookLMは、Googleが提供しているAIツールです。
使い方は単純です。手元にある資料をアップロードすると、その資料だけを読んで質問に答えてくれます。
PDF、Word、Googleドキュメント、スライド、Webページ、YouTubeの動画などを読み込ませることができます。
名前が変わりました
2026年7月16日に、NotebookLMは「Gemini Notebook」という名前に変わりました。公式のヘルプページも、すでに Gemini Notebook として案内されています。
ただし、いまも多くの記事や動画は「NotebookLM」と呼んでいます。この記事でも、検索されている名前に合わせて NotebookLM と表記しますが、実際の画面では Gemini Notebook と表示される場合があります。中身は同じものです。
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. ChatGPTやGeminiと何が違うのか
一番大きな違いは、一般的な知識には答えないことです。
ChatGPTやGeminiは、学習した膨大な知識の中から答えを作ります。だから何でも聞けますが、そのぶん、事実と違うことを自信を持って答えてしまうことがあります。
NotebookLMは違います。Google公式は、こう書いています。
Gemini Notebook は、アップロードされたソースに含まれる情報に基づいて質問に回答します。答えがソース資料にない場合は回答できません。
つまり、読み込ませていないことは答えません。
「答えられない」ことが利点になる
一見すると不便に思えます。ですが、社内で使うことを考えると、これは大きな利点です。
| ChatGPT・Gemini | NotebookLM | |
|---|---|---|
| 答えの元 | 学習した一般知識 | 読み込ませた資料だけ |
| 一般的な質問 | 答える | 答えない |
| 出典 | 付かないことが多い | どの資料の何ページかが出る |
| 社内ルールの質問 | 一般論で答えてしまう | 自社のルールで答える |
たとえば「有給休暇は何日前までに申請すればいいですか」と聞いたとき。
ChatGPTは、法律や一般的な慣行をもとに答えます。それは自社のルールとは限りません。
NotebookLMに就業規則を読み込ませておけば、自社の規定に基づいて答え、しかも「就業規則の第◯条」と出典が付きます。
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. できること6つ
NotebookLMで実際によく使われている機能を、6つに整理します。
① 資料・スライドを作る
読み込ませた資料をもとに、スライド形式の資料を作れます。
社内説明用の資料や、提案書のたたき台を作るときに使われています。ゼロから作るより、元になる資料を読ませてから直すほうが早い場合があります。
② 動画にする
資料の内容を、解説動画の形に変換できます。
社内研修やマニュアルの説明を、読ませるのではなく見せる形にしたいときに使われます。
③ 音声で聞く(音声解説)
読み込ませた資料の内容を、2人の話し手が対談する形式の音声にできます。
長い資料を読む時間が取れないときに、移動中や作業中に聞くという使い方をされています。
④ マインドマップで全体を見る
資料の構造を、枝分かれした図の形で表示できます。
分厚い資料の全体像を、読む前につかみたいときに使えます。
⑤ 要約する
複数の資料をまとめて読み込ませ、共通点や要点を抜き出せます。
⑥ クイズ・テストを作る
読み込ませた資料から、確認テストを作れます。
研修の理解度チェックに使われています。
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. 無料でどこまでできるか
NotebookLMには無料版と有料版(Pro)があります。無料版の上限は、公式に公開されています。
| 無料版 | Pro | |
|---|---|---|
| ノートブック数 | 100件 | 500件 |
| 1ノートブックのソース数 | 50件 | 300件 |
| 1日のチャット回数 | 50回 | 500回 |
| 1日の音声解説 | 3件 | 20件 |
出典:[Google公式ヘルプ「Gemini Notebook をアップグレードする」](https://support.google.com/gemininotebook/answer/16213268?hl=ja)
さらに、1つのソースあたり最大50万語、パソコンからアップロードする場合は最大200MBまでという制限があります。
実際のところ、無料で足ります
数字だけ見ても実感が湧かないと思うので、目安を書きます。
- ソース50件:就業規則、経費精算のルール、業務マニュアル数種類を入れても、まだ余ります
- 1日50回:1人が社内の質問を調べる用途なら、使い切ることはほとんどありません
- 音声解説3件/日:毎日3本作る使い方は、そもそも稀です
まず無料で始めて、上限にぶつかってから有料を考えれば十分です。
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. 中小企業で効くのは、実はここ
ここまでは、よく紹介されている使い方です。
ですが、中小企業の実務で本当に効くのは、あまり語られていない別の使い方だと考えています。
① 社内の問い合わせ対応
就業規則、経費精算のルール、各種申請の手順。こうした「調べれば分かるが、毎回誰かに聞かれる」情報を読み込ませておきます。
「有給は何日前まで?」「交通費の精算はいつまでに出す?」といった質問に、出典付きで答えられるようになります。
総務や経理が同じ質問を何度も受けている会社ほど、効きます。
② 引き継ぎ・前任者がいない業務
前任者が退職し、手順書だけが残っている業務。あるいは、複数のファイルに分散していて全体像が見えない業務。
関係する資料をまとめて読み込ませると、「この作業はどういう順番でやるのか」を聞けるようになります。
③ 新人からの質問の一次受け
入社したばかりの人が持つ質問の多くは、既存の資料に書いてあります。ですが、どこに書いてあるかが分かりません。
読み込ませておけば、本人が自分で調べられるようになります。
④ 提案書のたたき台
過去の提案書や実績資料を読み込ませておき、新しい案件の構成案を作らせる使い方です。
一般的なAIに書かせると、当たり障りのない内容になります。自社の過去の資料を読ませると、自社の書き方に近いものが出ます。
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. 向いていないこと5つ
導入前に知っておいたほうがよいことを、5つ挙げます。
① 一般的な質問には答えられない
繰り返しになりますが、これが最大の特徴であり、最大の制約です。
「業界の最新動向を教えて」「この法律について教えて」といった質問には答えられません。それはChatGPTやGeminiの仕事です。
② メール・カレンダー・チャットは見られない
社内のやり取りは読み込めません。読み込ませられるのは、ファイルやWebページとして存在する資料だけです。
「Slackの過去ログから探して」という使い方はできません。
③ 日本語の表示が崩れることがある
生成されたスライドや資料で、日本語のフォントが正しく表示されない場合があります。
そのまま社外に出す資料としては使わず、必ず自分で確認してください。
④ 出力したあと、自分で直しにくい
作られたスライドや動画は、ダウンロードしたあとに細かく編集することが想定されていません。
たたき台として使い、清書は別のツールでやる、と割り切ったほうが実用的です。
⑤ 出典が付いていても、100%正しいとは限らない
NotebookLMは答えに出典を付けます。これは大きな長所です。
ですが、出典が付いていることと、解釈が正しいことは別です。社外に出す情報や、お金・契約に関わる判断は、必ず元の資料を自分で確認してください。
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. 資料が整っていないと、何も起きない
導入して「思ったほど使えなかった」となる原因は、ほぼこれです。
NotebookLMは、読み込ませた資料しか読みません。だから、資料そのものが古かったり、間違っていたり、そもそも存在しなければ、正しい答えは出ません。
入れる前に確認すること
- 最新版か:3年前の就業規則を入れれば、3年前のルールが返ってきます
- どれが正か:「規則_最終版」「規則_最終版2」が両方あると、どちらも読んで矛盾した答えを出します
- 文字として読めるか:紙をスキャンしただけの画像PDFは、文字として認識されない場合があります
逆に言えば、資料を整理するきっかけとして使うという考え方もできます。読み込ませてみて答えがおかしいなら、それは資料側の問題が見えたということです。
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. 入力した内容は学習に使われるのか
社内資料を読み込ませる以上、ここは確認が必要です。
Google公式は、こう書いています。
お客様のデータは保護されており、フィードバックを提供しない限り、Gemini Notebook のトレーニングに使用されることはありません。
つまり、通常の利用では学習に使われません。
さらに、Google Workspace を契約している場合は、より強い扱いが明記されています。
Google Workspace または Google Workspace for Education をご利用の場合、Gemini Notebook でのアップロード、クエリ、モデルの回答は、人間のレビュアーが確認することも、AI モデルのトレーニングに使用されることもありません。
Geminiアプリとは扱いが違います
ここは混同しやすい点です。同じGoogleのサービスでも、扱いが違います。
| 学習への利用 | 人間による確認 | |
|---|---|---|
| Geminiアプリ(個人・無料) | 使われる場合がある | ある場合がある |
| NotebookLM(個人) | 使われない※ | フィードバック送信時のみ |
| NotebookLM(Workspace契約) | 使われない | されない |
※フィードバックを送信した場合を除きます
ひとつだけ注意点
答えの下に出る「良い/悪い」の評価ボタンを押すと、そのやり取りの全体が確認の対象になります。
改善のためのフィードバックをお寄せいただいた場合、Google は、クエリ、アップロード、モデルの回答など、そのやり取りの全容を確認させていただく場合があります。
社内資料を扱っているノートブックでは、この評価ボタンは押さないでください。
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. 有料版が必要になる場合
無料版で足りないのは、次のような場合です。
- 1日に50回を超えて質問する(複数人で同じアカウントを使っている場合など)
- 1つのノートブックに50件を超える資料を入れたい
- 音声解説を1日に4件以上作る
Proは、Google Workspace の対象ライセンス、または Google AI Pro プランに含まれます。
すでにGoogle Workspaceを契約している会社は、追加料金なしで使える場合があります。 まず自社のプランを確認してください。
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. よくある質問
Q. ChatGPTを使っているのですが、両方必要ですか
用途が違うので、両方あって困りません。一般的な相談や文章作成はChatGPT、社内資料に基づく質問はNotebookLM、という使い分けになります。
Q. パソコンが苦手な人でも使えますか
資料をアップロードして質問を打つだけなので、操作としては難しくありません。ただし「何を読み込ませるか」を決める人は必要です。
Q. 読み込ませた資料は、他の人にも見えますか
自分のノートブックは、共有しない限り自分だけのものです。共有設定をした相手だけが見られます。
Q. スマートフォンでも使えますか
iPhone・Android向けのアプリが提供されています。
Q. 何から読み込ませればいいですか
「同じ質問を何度も受けている資料」から始めるのが確実です。就業規則や経費精算のルールは、多くの会社で該当します。
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. まとめ
NotebookLMは賢いAIではありません。自社の資料しか読まないAIです。そして、その制約こそが価値になります。
一般的な知識に答えないからこそ、社内のルールを聞いたときに一般論で返ってきません。出典が付くから、確認できます。
始め方
1. 同じ質問を何度も受けている資料を、1つ選ぶ 2. それが最新版かどうかを確認する 3. 無料版に読み込ませて、実際に聞いてみる 4. 答えがおかしければ、資料側を直す
無料の範囲で十分に試せます。上限にぶつかってから、有料を考えてください。
社内の資料整理や、AIをどこから使い始めるかについては、AI活用のページでご案内しています。
