「ChatGPTに月20ドル払うべきか、ずっと迷っている」 「試しに使ったことはあるけれど、いまいち感動しなかった。結局、何ができるのか分からない」
AIツールの契約について、こうしたご相談をいただくことがあります。
ここで見落とされやすいことがあります。すでに契約しているMicrosoft 365に、AIが含まれています。 Word や Excel を業務で使っている会社なら、追加の契約は要りません。今日から試せます。
この記事では、無料で試せること6つと、有償版でしかできない1つの差を整理します。
読み終えると、他のAIに課金すべきかどうかを、自分で判断できます。
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この記事で分かること
- Microsoft 365に含まれているAIで、無料でできること6つが分かる
- 自社がどのライセンスに当たるかを、自分で確認できる
- 有償版が必要な場合と、課金しなくてよい場合を切り分けられる
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なぜ「AIは別に契約するもの」だと思われているのか
Microsoft 365にはすでにAIが入っている
AIを業務で使おうとするとき、多くの方が新しいサービスの契約から考えます。ChatGPT、Claude、Gemini といった名前が並びます。そして、どれに月額を払うかを比べます。
ただ、Microsoft 365 を契約している会社には、すでにAIが含まれています。Microsoft は公式ドキュメントでこう書いています。
Copilot Chat は、対象の Microsoft 365 サブスクリプションを持つ組織に自動的に含まれて使用可能になる、AI のプロンプトと応答のエクスペリエンスです。
料金についても、同じページにこう書かれています。
追加料金なしで、対象の Microsoft 365 サブスクリプションに自動的に含まれます。
追加のライセンスは要りません。別の公式ページにも、Copilot Chat を使うのに Microsoft 365 Copilot ライセンスは不要だと書かれています。
名前が変わって、さらに分かりにくくなった
分かりにくさには理由があります。名前が変わりました。
Microsoft は2026年に、製品名を変更しています。
Microsoft 365 Copilot は Microsoft Copilot に、Microsoft 365 Copilot Chat は Microsoft Copilot Chat に変わりました。公式ドキュメントには、移行期間中は旧名称が残る場合がある、とも書かれています。
同じものが2つの名前で呼ばれている状態です。
「Copilot」という名前が複数のものを指している
もう1つの理由は、Copilot という名前が指す範囲の広さです。
| 名前 | 費用 | 何ができるか |
|---|---|---|
| Copilot Chat | 追加費用なし | Webの情報をもとに答える |
| Microsoft Copilot(有償) | アドオン契約 | 社内のファイル・メールをもとに答える |
この2つは名前が似ていますが、できることが違います。 次の章で、自社がどちらに当たるかを確認します。
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まず、自社がどれに当たるかを確認する
確認する場所は、Word か Excel の画面
自社がどのライセンスなのかは、Word や Excel の画面で確認できます。アプリ内には、3種類のラベルのどれかが表示されます。
| 表示 | 状態 |
|---|---|
| M365 Copilot (Premium) | 有償のアドオンを契約している |
| M365 Copilot (Basic) | アドオンは無いが、標準の範囲で使える |
| Copilot Chat (Basic) | Word・Excel内では使えない |
Premium は有償版です。Basic と表示されている場合、アドオンは契約していません。
Basic が2種類ある理由
Basic には2種類あります。M365 Copilot (Basic) は、Word・Excel・PowerPoint・OneNote の中でCopilotを使える状態です。Copilot Chat (Basic) は、それらのアプリ内では使えない状態を指します。
どちらになるかは、会社の契約と設定で決まります。公式ドキュメントにも、アプリ内での動作は組織のライセンスと設定によって異なる場合がある、と書かれています。
自社がどちらかは、画面を見て確認してください。 記事や他社の説明では判断できません。
アプリ内で使えなくても、Webでは使える
Copilot Chat (Basic) と表示されていても、Copilot 自体が使えないわけではありません。ブラウザやCopilotアプリからは使えます。
Microsoft が挙げている利用場所は次のとおりです。
Web https://m365copilot.com ブラウザ Microsoft Edge のサイドパネル アプリ Microsoft Copilot アプリ(Windows・Mac・モバイル) Outlook Web・Windows・Mac・モバイル Teams Web・Windows・Mac・モバイル
Word や Excel にボタンが出ていなくても、上記からは使えます。
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無料で試せること6つ
ここからは、追加費用なしで試せることを挙げます。それぞれについて、これができれば何に課金しなくて済むかもあわせて書きます。
① 調べ物・下書き・要約をチャットで頼む
Webの情報をもとにした対話ができます。調査、分析、文章の作成、長文の要約といった使い方です。
具体例:見積書に添える文面を、毎回ゼロから書いている会社のイメージ
たとえば、月に10件ほど見積書を出している会社があるとします。そのたびに「いつもお世話になっております」から書き始め、過去に送ったメールを探して、似た文面をコピーして直す。1件あたり10分としても、月に100分かかります。
この作業を、Copilot Chat に「見積書に添える丁寧な依頼文を、200字程度で」と頼むと、下書きが返ってきます。そこから直す作業は残りますが、白紙から書く時間はなくなります。
ChatGPT や Claude に月額を払う目的がこの範囲なら、まず無料で試せます。 文章の下書きと調べ物は、無料で使える範囲に入っています。
② ファイルをアップロードして読ませる
ファイルを渡して、中身について質問できます。プロンプトに直接貼り付ける方法のほか、アップロード用のボタンからファイルを渡す方法があります。
具体例:40ページの仕様書が送られてきた会社のイメージ
取引先から仕様書のPDFが届いたとします。40ページあり、全部読む時間はありません。しかし、どこかに納期と検収の条件が書かれているはずです。
このファイルをアップロードして「納期と検収に関する記述を抜き出して」と頼むと、該当箇所が返ってきます。全部読む前に、どこを読むべきかが分かります。
有料プランの目的が「PDFを読ませること」なら、ここで足ります。
③ 画像を作る
画像の生成が含まれています。
具体例:社内向けの資料に、毎回フリー素材を探している会社のイメージ
会議資料を作るたびに、フリー素材のサイトを回って画像を探しているとします。イメージに合うものがなく、20分ほど探して妥協することもあります。
Copilot Chat に「打ち合わせの様子を表す、シンプルな図」と頼めば、その場で作れます。探す時間がなくなります。
画像生成のために別のサービスを契約する必要は、まだありません。
④ Copilot Pagesで、作った内容をそのまま共同編集する
チャットで作った内容を、ページの形にして残せます。作ったものをそのまま他の人と編集できます。
具体例:チャットの結果を、毎回Wordに貼り直している会社のイメージ
AIに企画のたたき台を作らせたあと、その内容をコピーして Word に貼り、体裁を整えて共有しているとします。貼り直すたびに書式が崩れ、直す時間がかかります。
Copilot Pages なら、作った内容がそのままページになります。貼り直す作業がなくなります。
議事録や企画のたたき台を共有する用途なら、別のツールを契約しなくても回ります。
⑤ Outlookでメール・予定表・会議を扱う
ここが無料で使える範囲の中で、最も大きい部分です。
Copilot Chat は原則としてWebの情報だけを見ます。ただし Outlook の中では例外があります。
公式ドキュメントによると、Outlook の Copilot Chat は、メール、予定表、会議、チャット、ファイルにアクセスできます。対象になるファイルは、OneDrive 上のものと、よく使う SharePoint サイトのものに限られます。
具体例:担当が1人で、やり取りが全部その人のメールにある会社のイメージ
ある案件について、3か月分のメールのやり取りがあるとします。誰がいつ何を決めたのかは、全部その担当者の受信箱の中です。上司から「あの件、どうなってる」と聞かれるたびに、メールを遡って確認しています。
Outlook の Copilot Chat に「A社の件、これまでの経緯をまとめて」と頼むと、メールと予定表を見て、経緯を整理します。遡る作業がなくなります。
ただし、探せる深さには差があります。無料の範囲では、入力した言葉と一致するものを探します。意味の近いものまで探す機能は、有償ライセンスを持つユーザーだけが使えます。
「言葉が一致するものを探す」ところまでは無料でできます。「意味が近いものを探す」のは有償版です。
⑥ Word・Excel・PowerPointで開いているファイルを扱う
Microsoft Copilot アプリの中から、Word・Excel・PowerPoint のファイルを扱えます。開いているファイルを認識して、内容について答えます。
Excel については、必要なライセンスとして次のように書かれています。
公式の案内では、必要なものとして「Copilot Chat が使える Microsoft 365 または Office 365 の法人向け・エンタープライズ向けの契約」が挙げられています。
Copilot Chat が使える商用の契約であれば、Excel でも使えます。
具体例:毎月の集計に、関数を調べながら1時間かけている会社のイメージ
月次の売上表から、担当者ごと・商品ごとの合計を出すとします。SUMIF や COUNTIF を使えばできますが、毎月やる作業ではないため、そのたびに書き方を調べています。
「担当者ごと、商品ごとの合計を出す数式を」と頼めば、数式が返ってきます。調べる時間がなくなります。ただし、返ってきた数式が合っているかの確認は必要です。
ただし、この項目だけは注意が必要です。2章で書いたとおり、アプリ内で使えるかどうかは、会社のライセンスと設定によって変わります。画面のラベルを確認してから判断してください。
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有償版でしかできない、1つの決定的な差
無料で使える範囲を6つ挙げましたが、有償版との間には1つ、はっきりした差があります。
社内のファイル・メール・チャットを横断して探せない
Microsoft は、無料の Copilot Chat について、次のように書いています。
Microsoft Copilot とは異なり、Copilot Chat はチャット エクスペリエンスの一部としてファイル、メール、チャットなどの組織のコンテンツに基づいているのではなく、Web からのデータのみに基づいています。
社内のファイル・メール・チャットをもとに答えることはしない、Webのデータだけを見る、という意味です。
有償版では、社内の情報をもとに答えます。過去のメール、会議の記録、共有フォルダの資料を横断して探し、それを踏まえた回答が返ります。
何が変わるか
具体的には、こういう質問への答え方が変わります。
「A社の件、これまでの経緯をまとめて」
無料版 答えられない(社内の情報を見ないため)
→ ただしOutlook内なら、メールの範囲では答えられる
有償版 メール・会議・共有資料を横断して、経緯とやることをまとめるこれが必要になる場面
社内の情報を探す時間が長い会社では、この差が効きます。逆に、AIに頼みたいことが文章の下書きや調べ物であれば、この差は関係ありません。
自社の使い方がどちらかで、課金すべきかが決まります。
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情報漏洩が心配な場合
AIを業務で使うとき、入力した内容がどう扱われるかは、契約より先に確認したい部分だと思います。
入力した内容は学習に使われない
Microsoft は、無料の Copilot Chat について、次のように書いています。
Copilot Chat では、基礎モデルのトレーニングにデータは使用されません。
同じページには、入力した内容と回答が Microsoft 365 のサービスの内側で処理される、とも書かれています。
無料で使う場合も、入力した内容がモデルの学習に使われることはありません。
保護は追加費用なしで適用される
企業向けのデータ保護についても記述があります。
公式ドキュメントには、この保護が追加料金なしで利用できると書かれています。適用されていることは、画面上部に表示される緑の盾のマークで分かります。
有償版との違いについても、同じページに記載があります。有償版で使えるセキュリティ・プライバシー・コンプライアンスの管理は、無料の Copilot Chat にも同じように適用されます。
セキュリティとプライバシーの扱いは、無料版と有償版で同等です。
ただしWeb検索は保護の外に出る
1つだけ例外があります。Web検索の部分です。
Bing の検索サービスは Microsoft 365 とは別に動作します。データの扱いも異なります。Copilot Chat から Bing に送られる検索の言葉は、Microsoft 365 の保護の境界の外に出ます。
社外に出したくない情報は、Web検索を伴う使い方では入力しないでください。
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それでも課金しなくてよい場合
ここまで無料でできることを挙げましたが、有償版を検討する必要がない会社もあります。
週に数回しか使わない場合
AIを使う頻度が週に数回で、軽い調べ物や文章の言い換えが中心なら、無料の範囲で足ります。
有償版の価値は、社内の情報を横断して探せることにあります。その使い方をしないなら、払う理由がありません。
社内資料を横断して探す必要がない場合
会社の資料が数十件程度で、どこに何があるか把握できている場合、横断検索の価値は小さくなります。
探すのに時間がかかっている → 有償版の効果が出る どこにあるか分かっている → 無料で足りる
まず1か月試してから決めればよい
課金の判断は、使ってみてからで構いません。
無料の範囲で1か月使って、「ここが足りない」と感じた箇所が出てきたときに、それが有償版で解決するかを見ればよいと思います。足りないと感じないまま契約すると、契約したこと自体を忘れます。
他のAIをすでに契約している場合
ChatGPT や Claude をすでに契約している会社は、解約する前に、その用途がMicrosoft 365の無料の範囲で足りるかを確認してください。
用途が文章の下書きと調べ物だけなら、重複している可能性があります。
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有償版を検討したほうがよい場合
逆に、有償版が効く条件もあります。
社内の資料を探す時間が長い
過去のメールや共有フォルダを探す作業が日常的に発生している場合、横断検索が効きます。4章で書いた差が、そのまま時間の差になります。
毎日使っている
無料の範囲を毎日使っていて、機能の制限に繰り返しぶつかっている場合は、検討する段階です。
料金
Microsoft の日本の価格ページ(2026年8月27日確認)では、次のようになっています。
| プラン | 年間契約 | 月間契約 |
|---|---|---|
| Microsoft 365 Copilot Business(アドオン) | 1ユーザーあたり月2,698円 | 月3,778円 |
いずれも税抜です。年間契約の価格は2026年9月30日までのキャンペーン価格と記載されています。 検討する時点で、必ず公式の価格ページを確認してください。
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試す前に確認すること
職場のアカウントでサインインする
Copilot Chat を追加費用なしで使うには、職場または学校のアカウントでサインインする必要があります。個人のアカウントでは、対象になりません。
自社のライセンス種別を確認する
2章で書いたとおり、Word や Excel の画面に表示されるラベルで確認できます。分からない場合は、契約を管理している担当者か、契約先に確認してください。
画面の名前が記事と違う場合がある
1章で書いたとおり、2026年に製品名が変わりました。画面には旧名称が表示されていることがあります。
新 Microsoft Copilot / Microsoft Copilot Chat 旧 Microsoft 365 Copilot / Microsoft 365 Copilot Chat
名前が違っていても、別の製品とは限りません。
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よくある質問
Excelにボタンが出ないのですが、故障ですか
故障ではありません。2章のとおり、Word・Excel の中でCopilotが使えるかは、会社のライセンスと設定で決まります。
Copilot Chat (Basic) と表示される状態では、アプリ内では使えません。この場合も、ブラウザやCopilotアプリからは使えます。
Teamsの議事録は無料で作れますか
作れません。会議の要約機能を使うには、Teams Premium ライセンスか Microsoft Copilot ライセンスのいずれかが必要です。公式ドキュメントに、そのように書かれています。
この機能は、追加費用なしの範囲には含まれていません。
個人向けのMicrosoft 365でも使えますか
この記事で書いているのは、法人向け(Business・Enterprise)の契約についてです。個人向けのプランは条件が異なります。
名前が変わったと聞きましたが、契約し直す必要がありますか
名称の変更について、Microsoft は移行期間中は旧名称が残る場合があると書いています。契約の手続きが必要かどうかは、契約先に確認してください。
無料と言っていますが、Microsoft 365の料金は払っています
そのとおりです。この記事の「無料」は、Microsoft 365 の契約に加えて追加の費用がかからないという意味です。Microsoft 365 を契約していない会社は対象になりません。
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まとめ:最初にやること
他のAIに課金する前に、いま使っているMicrosoft 365で試せます。追加の契約は要りません。
対象のMicrosoft 365サブスクリプションを持つ組織には、Copilot Chat が追加費用なしで含まれます。文章の下書き、調べ物、要約、ファイルを読ませること、画像の作成、Outlookでのメールの整理まで、追加の契約なしで試せます。
有償版との差は1つです。社内のファイル・メール・チャットを横断して探せるかどうかです。この使い方をしないなら、課金する理由はありません。
まずは職場のアカウントでサインインして、Word か Excel の画面に表示されるラベルを確認してください。そこで自社がどの状態かが分かります。
無料の範囲で試したうえで、社内の資料を横断して探す使い方が必要だと分かった場合は、[AI活用]のページから相談できます。
著者:MASTER key AX事業部
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出典
- Microsoft「Microsoft Copilot のライセンス オプション」
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/microsoft-365-copilot-licensing
- Microsoft「Microsoft Copilot Chat の概要」
https://learn.microsoft.com/ja-jp/copilot/overview
- Microsoft「Microsoft Copilot Chat のプライバシーと保護」
https://learn.microsoft.com/ja-jp/copilot/privacy-and-protections
- Microsoft「Microsoft Copilot とは」
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/microsoft-365-copilot-overview
- Microsoft「Teams の通話、会議、イベントのインテリジェント リキャップ」
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/intelligent-recap-calls-meetings
- Microsoft「Excel の Copilot に関するよくある質問」
https://support.microsoft.com/en-gb/office/frequently-asked-questions-about-copilot-in-excel-7a13758f-d61e-4a56-8440-f2c9a07802ec
- Microsoft「Microsoft 365 Copilot プランと価格」(2026年8月27日確認)
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365-copilot/pricing
