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AIに入れてはいけない情報|先にやるべき設定と、渡さずに済ませる方法

「AIに社内の情報を入れて大丈夫なのか分からない」 「危ないとは聞くけれど、何がどう危ないのかが分からない」

こうしたご相談をいただくことがあります。

入れてはいけない情報を覚える前に、設定を1つ変えてください。それだけで、入力した内容が学習に使われなくなります。

この記事では、その設定の手順と、それでも渡してはいけない情報、そして情報を渡さずに済ませる方法を整理します。

01

この記事で分かること

  • 学習に使わせない設定の手順が、サービスごとに分かる
  • 入れてはいけない情報と、その渡さずに済ませる方法が分かる
  • 入力以外にもある3つの注意点が分かる

02

. 不安に思っているのに、何もしていない会社が多い

IPA(情報処理推進機構)の調査に、次の結果があります。

生成AI利用時のセキュリティに関連した規則・体制の整備について、課題認識は60%を超えていたにもかかわらず、規則の策定、明文化、組織的な検討がされているのは20%未満

つまり、「不安には思っているが、何もしていない」状態が多数派です。

なぜ止まっているのか

「何を決めればいいか分からない」からです。

一覧表を渡されても、実際の場面では判断できません。「この見積書は機密に当たるのか」と迷ったところで止まります。

だから、この記事では先に手を動かすところから始めます。

03

. まず、設定を変える

各社とも、入力した内容を学習に使うかどうかを利用者が選べるようになっています。

ChatGPT

Microsoft公式ではなくOpenAI公式の手順です。

1  右上のプロフィールアイコンをクリック
2  「設定」を選ぶ
3  「データコントロール」へ進む
4  「Improve the model for everyone」をオフにする
   (日本語表示では「すべてのユーザーのためにモデルを改善する」)

公式には、こう書かれています。

Your conversations will still appear in your chat history but won't be used to train ChatGPT.

(会話はチャット履歴に残りますが、ChatGPTの学習には使われません)

この設定はアカウント全体に適用されます。 パソコンで変えれば、スマートフォンでも有効です。

Claude

Claudeは、もともと学習に使われません。

公式によると、学習に使われるのは次の場合だけです。

  • 自分で「Claudeの改善のために使用を許可する」を選んだ場合
  • 会話が安全性レビューのためにフラグを立てられた場合
  • 明示的にオプトインした場合(テスタープログラムへの参加など)

設定を確認して、許可していなければそのままで構いません。

Gemini

個人アカウントのGeminiは、初期状態で学習に使われます。 ここが一番注意が必要です。

1  gemini.google.com にアクセス
2  「設定とヘルプ」→「アクティビティ」
3  「アクティビティの保存」をオフにする

なお、仕事用・学校用アカウント(Google Workspace)の場合、この設定は管理者が管理します。 自分では変えられない場合があります。

Copilot

Microsoft 365のCopilotは、無料の範囲でも学習に使われません。 設定は不要です。

04

. サービスごとの扱いを一覧で

初期状態で学習に使われるか人が見る場合
ChatGPT(個人・無料)使われる(設定でオフにできる)あり
Claude(無料・Pro)使われない安全性レビュー時
Gemini(個人・無料)使われるあり
Copilot使われないなし
NotebookLM使われないなし

すでに使っているサービスがどれかを確認して、必要なものだけ設定してください。

05

. 設定を変えても消えない誤解2つ

誤解① 履歴を消さないと学習される

これは正しくありません。

「オフにするだけでは、残っている履歴が学習に使われる」という説明を見かけますが、OpenAI公式は明確に否定しています。

会話はチャット履歴に残りますが、ChatGPTの学習には使われません

履歴を消す必要はありません。 設定をオフにすれば、それで済みます。

ただし、履歴に残ること自体を避けたい場合は別です。 その場合は一時チャット(Temporary Chat)を使ってください。

誤解② オフにすれば何を入れてもいい

これも違います。

学習に使われないことと、情報が外部のサーバーに送信されることは別の話です。

入力した内容は、その会社のサーバーに届いています。設定は「学習に使わせない」ためのものであって、「送信しない」ためのものではありません。

だから、次の章の話が必要になります。

06

. それでも入れてはいけない情報

動画37本・26万字を数えたところ、警告されている順は次のとおりでした。

機密情報       105回
パスワード      82回
個人情報        78回
氏名            45回
ID              41回
社員に関する情報 37回
顧客情報        33回
売上            21回
住所            19回
人事情報        17回

具体的には、次のものです。

絶対に入れないもの

  • パスワード・IDなどのログイン情報
  • APIキー(流出すると高額請求につながる場合があります)
  • マイナンバー・口座番号・クレジットカード番号

会社の判断が必要なもの

  • 顧客の氏名・電話番号・住所・メールアドレス
  • 社員の給与・人事評価・健康に関する情報
  • 取引先ごとの単価表・原価
  • 未公開の決算数値・経営情報
  • 契約書の原本・図面

迷ったときの基準は1つです。「社外の人に見せられるか」で判断してください。

07

. 渡さずに済ませる方法

多くの場合、情報そのものを渡さなくても、やりたいことはできます。

方法① 構造だけ伝える

✗ 「山田太郎、090-1234-5678、東京都渋谷区…」という表があります

✅ A列に氏名、B列に電話番号、C列に住所が入っている表があります。
   500行あります。

関数を作る、集計する、整形する。こうした用途はこれで足ります。

方法② ダミーデータで渡す

同じ形式の架空データを数行だけ作って渡します。

✅ 山田A、090-0000-0001、東京都A区
   山田B、090-0000-0002、東京都B区

方法③ 置き換えてから渡す

文章の添削なら、固有名詞を伏せます。

✗ 「株式会社ABC商事の田中様へのお詫び文を書いて」

✅ 「取引先の担当者へのお詫び文を書いて。
     納期が3日遅れたことが理由です」

社名や人名を入れても、文章の質は上がりません。

08

. 評価ボタンだけは押さない

答えの下にある「良い/悪い」の評価ボタン。ここが、各社共通の落とし穴です。

評価を送ると、そのやり取り全体が確認の対象になります。

  • Claude:会話全体を最大5年間保存すると公式に記載
  • Gemini:フィードバックの内容を確認する場合があると記載
  • NotebookLM:通常は学習に使われないが、フィードバック送信時だけ例外

社内資料を扱っているときは、評価ボタンを押さないでください。

09

. 入力以外にもNGが3つある

「入れてはいけない情報」ばかり語られますが、出す側にも注意が要ります。

① 回答を確認せず、そのまま社外に出す

AIの答えをそのままお客様に提出する。これが一番多い事故です。

内容が間違っていた場合、責任を負うのは出した側です。

② 出てきた数字を鵜呑みにする

AIは計算を間違えることがあります。IPAや東京都も、内容を必ず自分で確かめるよう注意を呼びかけています。

金額・日付・人数など、数字は必ず元データと照合してください。

③ 画像や文章を、著作権を確認せず商用利用する

生成された画像や文章が、既存の著作物に似ている場合があります。

そのまま広告やパンフレットに使うのは避けてください。

10

. 共有リンクを放置しない

見落とされやすい点です。

AIとの会話には「共有リンクを作る」機能があります。作ったリンクは、URLを知っている人なら誰でも見られます。

Google公式には、こう書かれています。

共有したチャットが削除されても、関連する公開リンクは削除されません。

つまり、会話を消してもリンクは生きたままです。

共有リンクを作った場合は、使い終わったあとにリンク自体を削除してください。

11

. 最低限決めるルール3つ

分厚い規定集は要りません。読まれて守られるものを3つだけ決めてください。

① 使ってよいツールを限定する

「AIならなんでも」ではなく、名前を挙げて決めます。

例:ChatGPT と Microsoft Copilot のみ。他は使わない。

② 入れてはいけない情報を列挙する

抽象的な言葉ではなく、具体名で書きます。

✗ 「機密情報は入力しない」
✅ 「顧客名簿、給与データ、取引先の単価表、未公開の決算数値は
     入力しない」

③ 困ったときに聞く先を決める

「これは入れていいのか」と迷ったときに聞ける人を決めておきます。これがないと、判断できずに手が止まります。

12

. よくある質問

Q. 一度入力してしまったものは、どうなりますか

設定をオフにする前に入力したものについては、各社の窓口から削除やデータ利用停止の申請ができます。まずは設定を変えて、それ以上増やさないことが先です。

Q. 無料版と有料版で、扱いは違いますか

サービスによります。法人向けプランでは学習に使われない契約になっているものが多くあります。会社で使うなら、法人向けプランの検討をおすすめします。

Q. 会社のアカウントと個人のアカウント、どちらを使うべきですか

会社のアカウントです。 個人アカウントは、扱いが個人向けの規約に従います。

Q. スマートフォンでも設定は必要ですか

ChatGPTはアカウント全体に設定が適用されるため、どちらか一方で変えれば十分です。他のサービスは個別に確認してください。

Q. 社員に説明するとき、何を言えばいいですか

「設定を変えること」「入れてはいけないものの具体名」「迷ったら誰に聞くか」の3つで足ります。仕組みの説明は不要です。

13

. まとめ

入れてはいけない情報を覚える前に、設定を1つ変えてください。それだけで、入力した内容が学習に使われなくなります。

今日やること

1  使っているサービスを確認する
2  ChatGPT・Gemini を使っているなら、設定をオフにする
3  「社外の人に見せられるか」を判断の基準にする
4  評価ボタンは押さない

不安に思っている会社は6割を超えています。ですが、実際にルールを決めている会社は2割未満です。

設定を変えるだけなら、5分で終わります。

社内でどこまでルールを決めるべきか迷っている場合は、AI活用のページからご相談いただけます。

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困っていることがあれば、お聞かせください。
小さなことでも構いません。何を作るか決まっていなくても構いません。

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