「AIを使えばExcelが速くなると聞くけれど、何をどうすればいいのか分からない」 「関数もマクロも、自分には無理だと思っている」
Excelの作業について、こうしたご相談をいただくことがあります。
関数を覚える必要はありません。表の写真を見せて、やりたいことを日本語で書けば、式が返ってきます。
この記事では、実際の操作手順を3つに分けて説明します。読みながら手を動かせるように書きました。
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この記事で分かること
- 関数を自分で調べずに作る手順が分かる
- 表を読ませて集計・グラフにする手順が分かる
- マクロを作らせて実行する手順が分かる(保存の注意点つき)
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. AIでExcelを速くする方法は3つある
まず、話を整理します。「AIでExcel」と言っても、やり方は3つに分かれます。
| やること | 難しさ | 効果 | |
|---|---|---|---|
| ① 関数を作らせる | 式を聞いて、貼る | 低い | 中 |
| ② 表を読ませる | ファイルを渡して集計させる | 低い | 中 |
| ③ マクロを作らせる | 手順を書いて、コードを貼る | 中 | 大きい |
動画で最も多く語られているのは③のマクロです。 ただし、いきなり③から始めると詰まります。
この記事では①から順に説明します。①は今日すぐ試せます。
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. 始める前の準備
ファイルのコピーを作る
元のファイルで試さないでください。
AIが返してきた式やコードは、そのまま貼ると元のデータを書き換えることがあります。マクロには「元に戻す」が効きません。
デスクトップにコピーを作り、そちらで試してください。
どのAIを使うか
どれでも構いません。無料の範囲でできます。
- ChatGPT、Gemini、Claude のいずれか
- Microsoft 365を使っている場合は、Excelの中でCopilotが使えることがあります
まずは普段使っているものひとつで試してください。
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. 【手順①】関数を作らせる
一番簡単で、今日から使えます。
ステップ1 表をAIに見せる
やり方は2つあります。
方法A:スクリーンショットを撮る
Excelの画面を撮って、そのまま画像を貼り付けます。見出し行が写るようにしてください。
方法B:表の一部をコピーして貼る
見出し行と、データを数行分。コピーしてそのまま貼り付けます。
どちらでも構いません。画像のほうが手軽です。
ステップ2 やりたいことを日本語で書く
関数名は書かなくて構いません。何をしたいかだけ書きます。
この表で、B列が「東京」の行だけ、C列の金額を合計する 関数を教えてください。表は2行目から始まっています。
ポイントは、表がどこから始まるかを伝えることです。1行目が見出しなら、そう書いてください。
ステップ3 返ってきた式を貼る
式をコピーして、Excelのセルに貼り付けます。
ステップ4 合わないときは、そのまま伝える
エラーが出たら、表示された文字をそのまま書いて返します。
#VALUE! というエラーが出ました。 C列には「1,200円」のように文字が入っています。
原因を自分で考える必要はありません。見えているものをそのまま伝えれば、直した式が返ってきます。
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. 【手順②】表を読ませて集計する
集計やグラフを作らせる方法です。
ステップ1 ファイルをアップロードする
ExcelファイルまたはCSVファイルを、そのままAIに渡します。
ステップ2 欲しい結果を書く
商品ごとの売上を集計して、多い順に並べ、棒グラフにしてください。
動画で実際に使われていた指示には、次のようなものがあります。
予算シートと実績シートのデータを比較分析し、分析レポートを 作成してください。 ステータスが未着手のもので、着手予定日が今日の日付を過ぎている ものを赤字にしてください。
ステップ3 条件を足す
一度で思いどおりにならないことがあります。そのときは条件を足します。
項目が存在しない場合は「該当なし」と記載してください。 数値は半角で、通貨記号やカンマは含めないでください。
細かく指定するほど、手直しが減ります。
ステップ4 合計を自分で確かめる
ここは必ずやってください。
出てきた表の合計が、元の数字と合っているかを確認します。AIは計算を間違えることがあります。
元のファイルでSUM関数を使い、合計だけ照合すれば十分です。
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. 【手順③】マクロを作らせる
一番効果が大きい方法です。プログラミングの知識は要りません。
ステップ1 「開発」タブを出す
初期状態では表示されていません。Microsoft公式の手順です。
これで、リボンに「開発」が追加されます。一度やれば、次からは不要です。
ステップ2 やりたいことを日本語で書く
Excelのマクロ(VBA)を書いてください。 A列の日付が今日より前で、D列が「未着手」の行を赤い文字にしてください。 1行目は見出しです。
「マクロ(VBA)を書いてください」と最初に書くこと、1行目が見出しかどうかを伝えること。この2つを入れてください。
ステップ3 コードを貼る場所を開く
開発タブ → 一番左の「Visual Basic」をクリック → 上のメニューから「挿入」→「標準モジュール」
白い画面が出ます。ここにコードを貼ります。
ステップ4 コードを貼り付けて実行する
AIが返してきたコードを、まるごとコピーして貼り付けます。
実行は、Excelの画面に戻ってから行います。
開発タブ → 「マクロ」→ 一覧から選んで「実行」
ステップ5 保存の形式を変える
ここを間違えると、作ったマクロは消えます。
普通に保存すると、Excelファイルは「.xlsx」という形式で保存されます。この形式は、マクロを保存できません。
Microsoft公式にも、マクロ有効ブック(.xlsm)を .xlsx で保存するとマクロは保存されないと記載があります。
ファイル → 名前を付けて保存 → ファイルの種類で「Excel マクロ有効ブック (*.xlsm)」を選ぶ
動画では709回もマクロの話が出てくるのに、この保存の注意に触れているものはほとんどありません。 ここで一度作り直しになる方が多い場所です。
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. うまくいかないときの直し方
共通のコツは1つです。見えているものを、そのまま伝えることです。
エラーメッセージが出た
文言をそのままコピーして返します。
「実行時エラー '1004': アプリケーション定義またはオブジェクト定義のエラーです」 と出ました。
何も起きない
実行しましたが、何も変わりませんでした。 対象のシート名は「売上一覧」です。
シート名を伝えると解決することが多いです。 AIは、あなたのファイルのシート名を知りません。
数字が合わない
合計が元の数字と20,000円ずれています。 最終行に「合計」という行が入っています。
途中で止まった
100行目まで処理されて、そこで止まりました。
思っていたものと違う
やり直しを頼むより、違いを伝えるほうが早いです。
赤字になったのは正しいのですが、見出し行まで赤くなりました。 2行目から処理してください。
08
. 向いていない作業
やる前に知っておいたほうがよいものを挙げます。
① 元のデータが整っていない
これが最大の壁です。
- セルが結合されている
- 表の途中に空白行がある
- 1つのセルに「東京都渋谷区1-2-3 山田様」のように複数の情報が入っている
こうした表は、AIも人も読み違えます。
先に表を整えるほうが、結果的に早く終わります。
② 毎回条件が違う作業
月に一度、内容が毎回変わる作業。指示を書く時間のほうが、手でやるより長くなります。
同じ作業を繰り返しているものから始めてください。
③ 判断が必要な作業
「この見積は値引きすべきか」といった判断は任せられません。集計や整形までにとどめてください。
④ 数字の正しさが決定的に重要な作業
決算数値や請求金額など、間違えられないもの。使ってはいけないわけではありませんが、必ず自分で照合してください。
09
. 入れてはいけない情報
Excelには、そのままAIに渡してはいけない情報が入っていることがあります。
✗ 顧客名簿(氏名・電話番号・住所) ✗ 社員の給与データ ✗ 取引先ごとの単価表 ✗ 未公開の売上・経営数値
渡さずに済ませる方法
構造だけ伝えれば、たいていの用途では足ります。
✗ 「山田太郎、090-1234-5678、東京都…」という表があります ✅ A列に氏名、B列に電話番号、C列に住所が入っている表があります。 500行あります。
これだけで、関数もマクロも作れます。
もう1つの方法は、同じ形式のダミーデータを数行だけ作って渡すことです。
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. 無料でどこまでできるか
この記事の手順は、すべて無料の範囲でできます。
| 無料でできるか | |
|---|---|
| 関数を作らせる | できる |
| マクロを作らせる | できる |
| 表を貼り付けて集計 | できる |
| ファイルのアップロード | 回数や大きさに制限がある場合がある |
有料版で変わるのは、主に1日に使える回数と扱えるファイルの大きさです。機能そのものが増えるわけではありません。
まず無料で試して、制限にぶつかってから考えてください。
なお、ExcelのなかでCopilotを使う機能は、Microsoft 365のライセンスによって使える範囲が変わります。会社で契約している内容をご確認ください。
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. よくある質問
Q. Excelのバージョンが古くても使えますか
関数とマクロは使えます。作られた式が新しい関数(XLOOKUPなど)を使っている場合は、「古いバージョンでも動く式にしてください」と伝えてください。
Q. マクロを使うと、ウイルスだと警告が出ませんか
自分で作ったファイルを自分で開く場合は、警告が出ても「コンテンツの有効化」で進められます。出所の分からないマクロ付きファイルは開かないでください。
Q. 会社のパソコンでマクロが禁止されています
その場合は手順①と②だけ使ってください。関数と集計だけでも、作業は短くなります。
Q. どのAIが一番Excelに強いですか
大きな差はありません。普段使っているもので試してください。
Q. 作ったマクロを他の人に渡せますか
.xlsm形式のファイルを渡せば使えます。ただし、受け取った側でも「コンテンツの有効化」が必要です。
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. まとめ
関数を覚える必要はありません。表の写真を見せて、やりたいことを日本語で書けば、式が返ってきます。
今日やること
1. 使っているExcelファイルのコピーを作る 2. 表のスクリーンショットを撮る 3. AIに貼って、やりたいことを日本語で書く 4. 返ってきた式を貼って、合計が合うか確かめる
ここまでで10分ほどです。
マクロに進むとき
1 開発タブを出す(ファイル → オプション → リボンのユーザー設定) 2 日本語で手順を書いて、コードをもらう 3 開発タブ → Visual Basic → 挿入 → 標準モジュール に貼る 4 開発タブ → マクロ → 実行 5 「Excel マクロ有効ブック (*.xlsm)」で保存する
5を忘れると、作ったマクロは消えます。
うまくいかないときは、エラーの文言をそのままAIに伝えてください。原因を自分で考える必要はありません。
繰り返している作業のうち、どれをAIに任せられるか分からない場合は、AI活用のページからご相談いただけます。
